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モリのいる場所



映画2018/05/19
CD2018/11/22

監督・脚本 沖田修一
音楽 牛尾憲輔

出演 山崎努、樹木希林、加瀬亮、
吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、
池谷のぶえ、きたろう、林与一、三上博史、
中島歩、嶋田久作

(あらすじ)

昭和49年の東京。
昭和天皇(林)が1枚の画を観て尋ねた。
「これは何歳の子供が描いた絵ですか?」

その画を描いたのは
94歳になる画家・熊谷守一=モリ(山崎)。

30年間自宅から出ることもなく、
小さな庭に生きる虫や草花を観察し続けている。

前夫と離婚して
彼と再婚した秀子(樹木)との
結婚生活は52年目。
モリの言動を飄々と受け止めている。

同居する姪の美恵(池谷)は独身。
モリが書く表札が次々と盗まれることを悲嘆している。
彼の作品にはそれだけの価値があった。

いつものように夫婦のもとには、
朝から様々な訪問客がひっきりなしに現われる。

信州の旅館の主人・朝比奈(光石)が
看板の文字を書いて欲しいとやって来る。
新幹線の存在を知らないモリは
遠い道のりに同情して珍しく承諾する。
その席には「見知らぬ男」(三上)の姿もあった。


が、秀子の「書きたい文字しか書かない」という言葉どおり、
モリは頼まれた「雲水館」ではなく、
「無一物」と書く。


モリの生活を写し続ける藤田(加瀬)が
アシスタントの鹿島(吉村)を伴って来る。
「アリは左の2番目の足から動き始める」という
モリの言葉に凝視する2人。
鹿島はモリの生活に興味を抱くようになる。


テレビでモリのドキュメントが放送された。
彼は久々に家から出て見るが、
小学生の女の子に凝視されて慌てて戻る。


文化庁から勲章授与の話が来るが、
人が集まるのが億劫なモリは断ってしまう。


向いに建築中の
マンションに住む水島(吹越)と
工事現場監督・岩谷(青木)がやって来て対応する秀子。
この庭を守ろうと
モリを慕う学生たちが
熊谷家の外壁に建設反対の看板を立てているのだが、
それを外して欲しいと言ってくる。


実は岩谷には別の狙いがあった。
息子の絵をモリに見てもらい、
才能があるかどうかを言って欲しかったのだ。


その絵を見て
「下手だ。下手でいい。
下手も絵のうちです」という言葉に
岩谷は感銘を受けた。


30年間コツコツと掘り続けて池を作ったモリ。
だがマンションの建設に伴い、池を埋めることにしたと秀子に語る。
相当の深さだが、それは岩谷が請け負うことになった。


水泳教室に出かけて、
買い物でつい肉を大量に買ってしまった美恵。
秀子と美恵は、
工事現場の人間にそれを振る舞うことにした。


大騒ぎの中、
モリは見知らぬ男を見つけた。
彼は池の魚の化身だった。
ようやく落ち着けたという彼は
一緒にその世界へ行こうとモリを誘うが、
モリは「まだ生きたい」と断った。
彼が何より気にしているのは、
秀子をこれ以上疲れさせないことだった。


眠りから覚めたモリは
片づけを終わらせた秀子と碁を打ちながら語る。


「これまでの人生をもう一度生きたい」というモリと、
「疲れるから嫌」という秀子。
秀子はモリを「学校」に行くように促した。
学校とはアトリエのことである。


翌朝、完成したマンションの屋上から
熊谷家の全貌を写す藤田と鹿島。
表札はまた盗まれていた。


(感想)

実在の人物を描いた作品。

沖田修一が
山崎努×樹木希林の
熟練の演技を
軽やかに
メルヘンチックに撮った。

小さな庭の短い距離を
あんなふうに撮れる沖田は
細部を大切に生きているのだと思う。

家人が望まずとも
人が集まって来てしまう熊谷家を
虫で表現していたようにも思う。
彼の才能がよくわかる。 

そして、その世界観を
音楽が盛り上げた。
特にアリのシーンの音楽は秀逸。
牛尾憲輔はこれから注目。

冒頭の秀子と美恵のやり取りから
モリと秀子の結婚が
平穏なスタートではなかったことを感じさせ、
この老夫婦の生活が
重く、複雑なものに思えて来る。
上手なスタート。

自分は
こんな生活は嫌だなぁ、と。
鳥だらけで臭そう、とか
虫がいっぱいで鬱陶しい、とか、ね。
なので鹿島が
スプレーで対策する気持ちがよく分かった。
あれは必要なシーンだった。

あまり語らないモリの台詞には、
深い意味を感じ取るようになってくる。
「下手でいい」は、
自分自身に言っているみたい。
自分は彼の画を飾りたいとは思わなかった。
「かあちゃんを疲れさせたくない」は、
2人が乗り越えたであろう茨の道を想像させた。

最初は汚い爺さんに思えたモリを
最後にはすっかり好きになっていた。
鹿島が「また取材に来たい」と思ったように。
そんなふうに表現出来る山崎は
やはり名優である。

この映画の中での鹿島の存在は
観客の目線であり、
絶対不可欠で、
登場シーンの数よりも大きな意味を成していると思う。

秀子なしではモリの生活は成り立たない。
そんな秀子を優しいとも思い、かわいいとも思い、
怖いとも思った。
モリの人生を
コントロールしているのも秀子だから。
「怖い」をサラッと体現出来る
希林の稀有な才能を改めて感じた。
この毒気が
役柄に人間らしさと厚みと真実味を持たせる。

が、ラストのモリと秀子の語らいは
ズレている気持ちですら温かく感じられて、
夫婦というものを象徴していた。

加瀬、青木の好演、
池谷、中島という好きな役者の出演も楽しい。
他にも名バイプレイヤーがちょこちょこ顔を出す。
小学生の女の子の目つきがあるあるだった。
林にはまったく気がつけずw
三上の触角が
この作品のトーンを象徴しているように思った。

ユニーク。
でも自分はやっぱり
こういう生活をしたいとは思わないけど(笑)

映画オフィシャル・サイト



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