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スリー・ビルボード

ポスタ2

原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

映画2018/02/01

監督・脚本 マーティン・マクドナー
音楽 カーター・パーウェル

出演 フランシス・マクド―マンド、サム・ロックウェル、
ウディ・ハレルソン、ルーカス・ヘッジズ、
ピーター・ディンクレイジ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、
ジョン・ホークス、アビー・コーニッシュ、アマンダ・ウォーレン、
ジェリコ・イヴァネク、クラーク・ピーターズ、
サンディ・マーティン、サマラ・ウィーヴィング、
キャスリン・ニュートン

(あらすじ)

アメリカ・ミズーリ州の田舎町エビング。

ミルドレッド・ヘイズ(フランシス)が
道路脇の3枚の立て看板に、

「娘はレイプされて焼き殺された」
「未だに犯人が捕まらない」
「どうして、ウィロビー署長?」

というメッセージを張り出した。

彼女の娘・アンジェラ(キャサリン)は
7カ月前にここでレイプされ、焼き殺された。
一向に進展しない捜査に業を煮やして掲げたのである。

ウィロビー署長(ウディ)は
冷静に彼女の理解を得ようとする一方、
自分が末期がんであることを告白するが、
彼女は意に介さない。

署長を敬愛する町の人々も広告に憤慨し、
息子のロビー(ルーカス)はいじめを受け、
神父が忠告に来るが、
ミルドレッドは「連帯責任」を持ち出して
強く言い返す。

差別主義者のディクソン巡査(サム)は
広告板主のレッド(ケイレブ)を脅し、
共に暮らす母(サンディ)のアイデアで、
ミルドレッドのギフトショップの共同経営者・デニス(アマンダ)を
不当逮捕する。

ミルドレッドの元夫・チャーリー(ジョン)がやって来た。
元刑事で、粗暴な男。
現在は19歳のペネロープ(サマラ)と暮らしている。
看板に激怒し、
アンジェラがミルドレッドとの生活を
嫌がっていたことを告げる。

実は事件当日、ミルドレッドはアンジェラと口論をし、
「あんたなんかレイプされて殺されれば良い」と
口走っていたのだ。
ミルドレッドは自責の念に駆られていた。

レッドから広告料の不足を告げられるミルドレッドだったが、
何者かが広告料を提供して来た。

歯の治療に行ったミルドレッドは
署長の友人の医師から嫌がらせを受けて報復し、訴えられる。

その尋問中にウィロビーが吐血、
死期が近いことを悟った彼は
妻・アン(アビー)や娘たちと
楽しい思い出の一日を作った後に自殺する。

それはミルドレッドのせいだという風評が流れて
嫌がらせはエスカレート。
だが彼女はひるまない。

店には見知らぬ男が来て彼女を恫喝した。
そこへ偶然アンがやって来て救われる。
彼女はウィロビーがミルドレッドに宛てた
手紙を持って来た。
そこに書かれていたのは…

ディクソンはレッドとその秘書に激しく暴行する。
その様子を見ていた
黒人の新署長・アバークロンビー(クラーク)に解雇される。

さらに3枚の看板が何者かに燃やされてしまう。

ディクソンは同僚の巡査部長(ジェリコ)から
ウィロビーからの手紙を取りに来るように言われる。

夜中に誰もいない警察署にやって来て
それを読むディクソン。

同じ時、ミルドレッドは看板を燃やしたのは警察だと思い、
署に放火しようとしていた。

(感想)

やっと観られた。
コーエン兄弟×兄の嫁・マクド―マンドの作品かと思っていたら
違うんだね。
このファミリーが作りそうな作品だけど。

本年度アカデミー賞主演女優賞(マクド―マンド)、
助演男優賞(ロックウェル)受賞作。
そもそも実力派である2人の受賞に文句なし。
今作でも圧倒的に印象に残る演技を披露している。

この映画は
フトローの「庭の千草」で始まる。
英詞である♪THE LAST ROSE OF SUMMER は
ミルドレッドの心情を象徴しているようだ。

-夏の最後のバラが
一輪咲き残っている
彼女のかわいらしい仲間たちはみな
色あせて消えてしまった
彼女の赤らみを映し返したり
ため息にため息を返したりするような
彼女の身寄りの花はひとつもおらぬ
バラのつぼみは周りにはないのだ

ひとり寂しい者よ、そなたを
茎の上でやつれるままにはしておくまい!
美しき者たちは眠っているのだから、
そなたも行ってともに眠るのだ
かくして私は優しく
そなたの葉を地面に散らす
そなたの庭の友が
香りを失い死んで横たわっている所へと

間もなく私も後を追うだろう、
友のよしみが朽ちるときに、
そして愛の輝ける輪から
宝石が落ち去るときに
まことの心が衰えて
好きな者たちが飛び去ってしまったら
ああ!誰がこの寒々とした世界に
ひとり住もうとするだろう?-

昔からこの曲に涙腺を緩まされる自分は
冒頭から心を掴まれた。

「沽券」ということを考えていた時期に
この作品を観て、ミルドレッドの強さに感銘を受けた。
自分にとって
今後時折思い出すキャラクターになりそう。

ただ強いだけだったら退いてしまうところなのだが、
自責の念に駆られていたり、
顔面に吐血した末期ガンの署長に怒らなかったり、
もしかして娘の生まれ変わり?な鹿を見た時に
それまでにない優しい表情をしたり、
自分を庇ってくれたジェームズ(ピーター)を
不意に傷つける言動をしてしまった時に
すまなそうな表情を浮かべたり、
頑張ってくれたディクソンにお礼を言ったり、と
ほぼ強硬な無表情でありながら
ちょこっと感情や人間性の暗示が出ていたので同感でき、
こういった細かい演技が
本当に自然で上手なマクド―マンドに感心する。
これは監督の指示だけではなかったはずで、
彼女の役者としての知性だと思う。

ロックウェルに関しても
つねづねもっと評価されていい実力のある人だと思っていたので、
花開いて嬉しい。

この2人に加えて、
中盤で自殺して姿を消してしまうも、
手紙の声だけで
その後の作品の展開に大きな影響を与えている
署長役のウディが素晴らしい。
狂人を演じることが多かった彼が
極めて常識的な人格者を演じ、
役者としての懐の深さとオーラを感じた。

チャラチャラしているようで
でも心根は優しいレッド役のケイレブも印象的。

話的には本当に悲惨で、
だけど実際にこういう地団駄を踏む思いをすることはあるし、
でもそれを享受して生きていくしかなく、
そんな報われない気持ちを気遣ってくれる人はいたりして、
それによって変われたり、救われたり…
誰しも誰かから見れば正しくて、
誰かから見れば悪者で…
そんな人生の悲しみと喜びの縮図が凝縮された作品で、
少しも無駄なシーンはなく、
じんわりと深く感動した。

この作品こそ
アカデミー賞作品賞に相応しかったと自分は思う。

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